駐在・赴任前の語学研修、オンラインで会社負担にできる?相場と課税の注意点

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この記事の結論

  • 海外赴任前に必須研修を全員に受けさせている企業は28.0%。語学研修の実施形態は「オンライン英会話」が66.9%で最多。
  • 研修開始は「赴任の3か月前〜半年未満」が最多(40.8%)で、数ヶ月〜半年程度の準備期間を見込む企業が多い。
  • 会社負担の語学研修費用は、業務上の必要性と費用の適正性という2条件を満たせば給与課税されないが、一律非課税ではなく個別判断が必要。
  • 会社の制度がない・対象外という方は、個人でオンラインレッスンを併用して自主対策する方法もある。

海外駐在や海外赴任が決まると、多くの人が直面するのが「語学研修をどう進めるか」という問題です。会社の制度で研修が用意されている場合もあれば、個人の自助努力に任されている場合もあります。本記事では、企業の赴任前語学研修の実施状況や費用相場、会社負担分の税務上の注意点を、公開されている調査データや公的情報をもとに整理します。あわせて、会社の制度が十分でない場合に個人でできる対策も紹介します。

1. 赴任前語学研修、企業の実施状況はどうなっている?

ビズメイツが実施した調査(出典:PR TIMES)によると、海外赴任者に対する研修の実施状況は次のような内訳でした。

研修の実施方針 割合
必須研修として全員に受講させている 28.0%
研修は用意しているが個人の判断に任せている 24.3%
研修は特に実施していない 7.5%

研修を実施している企業のうち、内容の内訳は「安全対策研修」59.3%、「語学研修」55.0%、「異文化理解研修」49.6%となっており、語学研修は安全対策に次いで重視されていることがわかります(複数回答)。

語学研修の実施形態はオンラインが主流

語学研修の実施形態(複数回答)を見ると、「オンライン英会話」が66.9%と最も多く、「eラーニング」40.8%、「通学型(対面)」39.4%と続きます。通学の手間がなく、赴任準備で多忙な時期でも進めやすいことが、オンライン形式が選ばれる理由と考えられます。

2. 研修はいつから始める?期間の目安

同調査では、研修の開始時期についても聞いており、「赴任の3か月前〜半年未満」から始める企業が40.8%と最多、次いで「半年前〜1年未満」が31.0%でした。この結果から、赴任前の語学研修は数ヶ月〜半年程度の期間をかけて進めるのが一般的な目安と言えそうです。急に決まる赴任もあるため、期間に余裕がない場合はオンライン形式で受講頻度を上げるなどの工夫が必要になります。

3. 法人向け語学研修の費用相場

赴任前研修に特化した費用統計は公開情報として見当たらなかったため、ここでは法人向け語学研修全体の一般的な相場観(出典:スタディイン)を紹介します。実際の費用は研修会社やプラン内容によって幅があるため、あくまで目安としてご覧ください。

研修形態 費用相場の目安
講師派遣型(対面) 1時間あたり15,000円〜30,000円程度
オンライン研修 1名あたり月額10,000円〜50,000円程度
海外派遣型の短期留学 1ヶ月あたり30万円〜80万円程度

赴任前研修という単発の目的であれば、費用面でも柔軟性の面でも「オンライン研修」を軸に据える企業が多い理由がうかがえます。

赴任前研修プランを提供しているサービスの例

法人向けオンライン英会話サービスの中には、赴任前研修向けのプランを組んでいるところもあります。

  • Bizmates(ビズメイツ):海外赴任前研修プランを提供しており、6ヶ月プランの例では「Bizmatesプログラム」による会話力強化、「Assist Lesson」による英文メールの添削、「Bizmates Coaching」による学習計画のサポートを組み合わせた構成になっています(出典:Bizmates法人向けサービス)。
  • 産経オンライン英会話Plus(法人向け):5時〜25時という広い時間帯で受講でき、専任の日本人コーチによる週次面談が付くプランがあります。英語だけでなく韓国語・中国語にも対応している点が明記されていますが、赴任前研修に特化したプランが別途あるかどうかは公式サイト上で確認できなかったため、導入を検討する場合は個別に問い合わせて確認することをおすすめします(出典:産経オンライン英会話Plus法人向け)。

なお、中国語・韓国語の赴任前研修については、講師派遣・教室通学を中心とするアーキ・ヴォイスなどの事例はあるものの、オンライン対応の有無や法人向けプランの詳細を一次情報で確認しきれなかった部分があります。導入を検討する際は各社に直接確認することをおすすめします。

4. 会社負担の語学研修費用、税金はどうなる?

赴任前研修を会社が負担してくれる場合、気になるのが税務上の扱いです。この点は国税庁のタックスアンサー(No.2603)や、朝日税理士法人の解説(朝日税理士法人)で整理されています。

ポイントは次の2つの要件です。

  1. 業務上の必要性:赴任後の業務を遂行するために直接必要な研修であること。
  2. 費用の適正性:実費相当の範囲であり、過大でないこと。

この2要件を満たす場合、会社が負担した研修費用は給与として課税されません。一方で、業務目的と私的な目的が混在している場合は、業務に対応する部分とそれ以外の部分を按分して考える必要があります。

朝日税理士法人の解説では、赴任予定者本人および同伴する配偶者の事前語学レッスン費用については、業務上必要かつ適正な範囲であれば非課税として扱えるとされています。一方で、同伴する子供の語学レッスン費用については、本人に対する給与として課税対象になりうるとされており、家族分まで一律に非課税と考えるのは早計です。

注意:ここで紹介した課税関係は一般的な考え方の整理であり、一律に「非課税」と断定できるものではありません。個々のケースでの取り扱いは、勤務先の経理・人事部門または税理士に個別に確認することを強くおすすめします。

5. 会社の制度がない場合、個人でできる対策

「研修は個人の判断に任されている」「そもそも制度がない」という会社に勤めている場合も少なくありません(前述の調査でも24.3%が該当)。その場合の自主対策として、次のような方法があります。

  • 単語カード・付箋の反復学習:業務でよく使う語彙や表現をカード化し、隙間時間に繰り返し目を通す方法です。
  • 日記の執筆:赴任先の言語で簡単な日記を書くことで、アウトプットの練習になります。
  • 字幕なしでの動画視聴:リスニング力を鍛える方法として有効とされています。
  • オンラインレッスンの活用:24時間いつでも受講できる、月額数千円台から始められるサービスもあるなど、コストと時間の両面で始めやすいのが特徴です。

特に中国語・韓国語については、法人向けの赴任前研修プランの事例がまだ少ないのが実情です。個人向けのマンツーマンオンラインプラットフォームであるitalkiは、中国語・韓国語を含む多言語のネイティブ講師とのレッスンに対応しており、赴任前に自分のペースで会話練習を積みたい方の選択肢になります(法人向け研修プランとしての位置づけは公式情報で明確に確認できなかったため、個人利用を前提とした情報として紹介します)。[PR]

【italki(アイトーキー)】

6. まとめ:制度を確認しつつ、早めの準備を

赴任前の語学研修は、企業によって実施の有無や手厚さに差があるのが実情です。まずは自社にどのような制度があるか、会社負担の範囲と税務上の扱いを人事・経理に確認することが第一歩になります。制度が十分でない場合や、赴任までの期間が短い場合は、オンラインレッスンなどを活用した自主対策を並行して進めることで、準備期間を無駄にせず語学力を高めていけるはずです。

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